【書評】「出口汪の論理的に話す技術」を読んで、要約力の重要性に気づいた。
出口汪の論理的に話す技術
「思うように、自分の考えを伝えられない」と悩んでいたとき、行きつけのブックカフェで、この本に出合った。
著者の出口さんは、入試において、ほぼ必須の科目である現代文・小論文を担当する講師で、執筆した別の本で、受験生の頃お世話になった。
当時の私は、大学入試に残り3ヶ月と迫っているにもかかわらず、センター試験の現代文が圧倒的に苦手であった。志望校に合格するためには今以上の点数を取らなくてはいけない。しかし数学や英語と違い、現代文は公式がないため、対策ができないと途方に暮れた。
その時、「論理」を用いて作者の意図を読み取る方法を記した著書を見つけ、対策を行ったおかげで、過去最高得点を本番でとることが出来た。
そのため出口さんには非常に感謝しており、今回も「論理」を武器に、私の悩みを解決してくれると期待して読み始めた。
予想通り、「論理」的な文章を構成する要素が分かりやすく説明されており、勉強になった。
その中で、論理的な文章に大切なことは、要約力であることに気づいたので紹介する。
概略
この本の主題は3つ。
- 論理は他者を意識することで養われる
- 主張には論証が不可欠である
- 論理は実践により習熟される
論理は他者を意識することで養われる
自分の考えは誰も知ることが出来ないため、好き勝手に話しては伝わらない。具体的に説明することが肝心だ。
主張には論証が不可欠である
主張は、さまざまな根拠を論証として示すことで、強固になる。論証は以下の3つの関係性からなる。
引用や具体例などの「イコールの関係」
主張の反対意見を述べる「対立関係」
事実からわかることを示す「因果関係」
詳細は、こちらをチェックしてほしい。
論理は実践により習熟される
論理技術を覚えても、身につかない。実践のために、新聞のコラムを教材として読むべきだ。コラムは、1つのテーマを限られた文字数で論理的に書かれている。入門編としては最適である。
要約力が大切
本書を読み終わった後、この論理展開を行う上で、最も大切なことは要約力であることに気づいた。
出来事や考えを言葉で表現するとき、冗長なエピソードを語ると、構造が複雑になってしまう。
具体的に表現するためには、言葉を知らなければいけない。
例えば、買ったアイスの色は何色か、どんなトッピングがあるか、溶けているか凍っているのか、容器はコーンかカップか…などを表現するための言葉を知らなければ、言葉が抽象的になってしまう。これらを言葉で示すことができると、単語が自然と具体的に表現される。
だから、自分の経験を要約し、言語化する意識を持つと、論理が身に就くよね。