【書評】上手い文章を書くときは、テクニック論だけでなく社会の見方を変えてみては? | 語彙力を鍛える
ブログを更新し続け、早3ヶ月め。
「あ!これは皆に伝えたい!」と思いブログを書こうとしても未だに、「自分の考えを上手く言葉にできない!」「こういうことが言いたいわけじゃないのに!」と悩んでしまいます。
「語彙力が足りないせいだ!」と思い、この本を手に取りました。
著者は、国立国語研究所研究系日本語教育研究領域代表の石黒圭さん。一橋大学大学院言語社会研究科の教授も務めており、文章論を専門とされています。
専門分野の知識だけでなく、日本語を学ぶ留学生の講師としての実体験に基づき、言葉の量と質の双方向からのアプローチを用いたトレーニング法を提案しています。
語彙力の具体的な鍛え方は、目次にて言及されています。
第二章 語彙の「量」を増やす
(一)類義語を考える
(二)対義語を考える
(三)上位語と下位語を考える
(四)語種を考える
(五)文字種を考える
(六)書き言葉を考える
(七)専門語を考える
(八)方言を考える
(九)新語と古語を考える
(十)実物を考える
(十一)語構成を考える
第三章 語彙の「質」を高める
(一)誤用を回避する
(二)重複と不足を解消する
(三)連語の相性に注意する
(四)語感のズレを調整する
(五)語を適切に置き換える
(六)語の社会性を考慮する
(七)多義語のあいまいさを管理する
(八)異なる立場を想定する
(九)語の感性を研ぎ澄ませる
(十)相手の気持ちに配慮する
(十一)心に届く言葉を選択する
各章の具体的な内容に触れるのは他の方やAmazonのレビューにお任せして、僕が本文でググッと引き込まれた考え方について触れたいと思います。
実物を考える
言葉に詳しくなるためには、現実世界の実物を知ることが必要です。
と本文では様々な事柄の名称を引用しています。
例えば、「歯」は「切歯」「犬歯」「小臼歯」「大臼歯」があって、それぞれ「食べ物を噛み切る」「食べ物を切り裂く」「食べ物を砕く」「食べ物をすりつぶす」役割がある、って感じ。
僕自身細かい名称を忘れていたのですが、確かに名称を使えば意図を伝えやすい!
「歯が痛いなら、お粥を食べよう」よりも、「切歯が痛いなら、噛み切らなくていいお粥を食べよう」の方が意図が伝わりやすいです。
だからまず、現実の事柄に疑問を持とうってわけですね。
これに関して共感を覚える経験があって、僕は芸能人の名前が覚えられず、最近の俳優や女優の顔と名前が一致しません。
あまりに疎すぎて「好きな女性のタイプ、芸能人に例えたら誰だよ~~!」って聞かれたときも名前を思い出せないんですよね。
「えっ~と、ドラマ名は分からないんだけど、最近ドラマのCMを見たときに映ってた、主人公にもうアプローチする女の子役!黒髪で~~、前保険のCMやってた!」って感じ。誰だよ!
だから「〇〇って女優が話題に!!!」みたいなニュースとか「〇〇って俳優が近くにいるぞ!」って言われてもピンと来なくて、「ほかの人のように盛り上がれなくてもったいないなあ」~って思う時が多くありました
使える語彙力の多さも、その状況と同じ!
頭の考えを言葉にする時に大切なことは
- その状況を示す名称を知ること
- 適切な状況で名称を使うこと
そうでなければ、僕が芸能人の名前を浮かばないときのような要領を得ない回答しかできない。
だから、普段から名称を知らない事柄に出会ったとき、意味を調べ使う習慣を持つことが、語彙力トレーニングに繋がる。僕は芸能人の名前を調べないから使えない!!
僕はこの部分が特にガツンときた。事柄の名前を知らないときは常に調べなきゃだ。