【書評】「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」は自己啓発本としてためになる。
なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である
- 作者: 中島聡
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2016/06/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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「最初の2日で仕事の8割を終わらせる」
この考え方で成功を収めた著者の考え方や生き方が紹介されています。
著者はマイクロソフトでwindows95の開発設計の中心人物である中島聡さん。
内容は、
- タイトルにもある「あなたの仕事が終わらない」原因の解説
- 「ロケットスタート仕事術」という仕事を終わらせるためのテクニックの解説
- テクニック誕生秘話や実践した著者が得たメリット
という構成になっています。
ビジネス本の側面に加え、自伝や自己啓発本にも通じるところがあるため、ビジネス本と思って読み進めると驚いてしまうかもしれません。
しかし中島さんの考え方や熱意はものすごく、グイグイ引き込まれます。
この記事では僕がこの本で気になった要点をお話しします。
締め切り間際にならないと本気になれない人が陥りやすい状況と問題点
- 締め切りが迫ることの焦りや不安により集中力が保てない
- 徹夜やストレスによる睡眠不足
試験勉強で徹夜した経験や、締め切りに追われたことがあれば実感できることでしょう。
ほんと集中できないです。
徹夜して8時間かけて勉強しても、眠気に耐えたり、携帯を触ってしまったり、ネットサーフィンで気を紛らわしたりと集中力はその半分も続いていないと思います。
でも言うまでもなく当たり前ですよね。
僕も共感しながらも、「そんなこと分かっていても変えられないんだ!」と理不尽に怒っていました。
じゃあ反対に、早く終わらせるメリットって何なんでしょう。
最初の2日(正確には締め切りまでの2割の期間)で8割完成させるメリット
- ある程度取り組むことで締め切りまでの全体像が見える
- 8割完成させることで、残りの時間はイレギュラーの対応や、小さなバグを改善する
- 大きく形になっているので他人に進捗状況を説明しやすい
- 余裕を持ちながら取り組めるので見落としが防げる
個人的に余裕をもって仕事に取り組めることはとても重要なことだと思っています。
「締め切りを守らないといけない」と追われ続けていると精神的に参ってしまいます。
相手に決められた期限が近づいたときのストレスと、自分で決めた期限が近づいたときのストレスだと、自分で決めた時の方が断然楽です。むしろ完成させた時に達成感があります。
相手に決められた締め切りは違いますよね。たぶん達成感より安堵が勝っちゃいます。
なぜあなたの仕事は終わらないのか
最初の数日で仕事の8割を完成させる
これは簡単なことではありません。むしろ締め切りに守れていない人が実践するのは一見不可能です。
とはいえ、本質は全力を出す時期をラストからスタートに変えるだけです。
今までラストスパート型だった自分の性格を変えるには個人の精神力やモチベーション次第です。
だから、この本の構成はビジネステクニック本というより自伝や自己啓発本風味なんでしょう。
先延ばしの原因や問題を細かく分析し自分の体験を交えて話す本書によって、僕はめちゃくちゃモチベーション上がりました!
まとめ
僕も「締め切りの2割で全力を出す」考えを実践しています。
そんなの守って当たり前だと笑われるかもしれませんが、部屋の掃除や洗濯のような気を抜くとサボってしまう家事。ブログの記事を考えるとき、読書をし始めるとき、勉強をし始めるとき。
このような日常生活からロケットスタートを意識して、ストップウォッチで時間を計りながら取り組んでいます。
劇的な変化はありませんが、日常レベルにおいて家事の先延ばしや時間の無駄遣いは減りつつあり、生活にメリハリが生まれています。
読み終わった人に向けてのおまけ
ふと見つけたAmazonのレビューでこちらの意見がすごくしっくりきました。
確かに、本の内容は理想論や能力の高い人向けかもしれません。ですが、できない理由を挙げるのって簡単です。仮にそう感じても、自分にも出来るようにアレンジする姿勢は大切な気がします。
レビューを見ていると、「こんなの真似できない」とか「長期の仕事向け」という意見が多かったですが、私は自分の仕事に合わせてアレンジしてみました。
この本でとくに真似するのは“スタートダッシュ”や“界王拳20倍”の部分です。そして長期間で考えるのではなく、1日単位でやってみました。「できない」という意見のなかで多かったのが、こまごましたタスクがあるため無理、というところ。私も同じです。
1つの仕事に集中したくても、返事を急ぐメールが頻繁だし、電話にも出なきゃいけないし……。ですから、私の場合、出社後30分は諦めて「こまごましたタスクを処理する時間」としました。
9:30スタートなので、“スタートダッシュ”は10:00から。この30分の間に、メールの処理などをします。
そして10:00~13:00は、メインの仕事。ここにかなり集中します。電話も出ませんし、メールの返事も(よっぽどでない限り)しません。
それで1カ月ほどやってみていますが、内外からの苦情はとくにありません(笑)。作者も「数日くらいなら大丈夫」と語っているとおり、私の場合のこの3時間くらい、外部と遮断してもとくに影響ありませんでした。「無理でしょ」という思い込みもあったのかな、と思います。
電話をとらないと周囲に恨まれるかな、と思いますが、13:00以降は積極的に取りますから!
また、「界王拳」と「流し」で何をやるかは、3日前くらいから決めて手帳に書いておき、何かあったら随時更新するようにしています。これだけで、今までとやっている内容は同じはずなのに、作業時間が短縮し、残業が減りました。
午後は「手がすいたな」なんて思うことも。今までは「あ~、あれもやらなきゃ…」ということばかりだったのに。
今までは、やりたくない仕事を後回しにすることで、だらだらと時間が過ぎていることもありましたが、「13:00まで」ときっちり決めて集中し、昼食前に終わらせてしまうことで、午後がとっても気持ちがラクになりました。「流し」の時間の、余裕のある自分が結構すきです。(笑)これを長期スパンでできればもっと最高かもしれませんが、私にはとりあえずこれが合っています。
この本に出会えて、感謝!