林先生がオススメする本「学力の経済学」は、情報化社会の今だからこそ読んでほしい!
TV番組「林先生が驚く初耳学」にて、林先生が「学力の経済学」という本を紹介していました。
教育論にも科学的な根拠を持ち込むべきと主張する著者、中室牧子さん。
自分が子供に対して行っていることが正しいのか悩む親はもちろん、統計の重要性を学びたい人にもおススメの本です。
実験に基づく教育論が学べる
この本で紹介された教育論は、実験や統計に基づき科学的に正しいとされていることです。例えば…。
- ご褒美で釣っても「よい」
- ほめ育てはしては「いけない」
- ゲームをしても「暴力的にはならない」
これらの結果は、多数の実験より統計の視点から判断されたものです。
海外で行われた複数の実験結果を基にしているため、信憑性は低くはありません。
ですが、「じゃあこの方法を試すといいんだ!」と判断してはいけません。
情報を妄信してはいけない
本書で紹介されている実験は、全く同じ性質の人間で実験することは不可能なため、対象者の違いによる影響を最小限に抑えるように試行錯誤しながら行われています。そうやって実験した結果の傾向を見て、何が正しいのかを判断しているのです。
例えば、この本では「インプット学習にご褒美を与えると成績が伸びる」と主張されています。これは、そのような実験結果を示す人が多いからだからです。
「試験でいい点を取る」といったアウトプットにご褒美を与えた人と、「本を読む」といったインプットにご褒美を与えた人の成績を見比べると、後者の方が成績の伸び率が高い人が多かったわけです。
こうやって示されたデータであるため妄信するのは良くないです。
これらのデータは多くの人が同じ結果になることは示していても、どんな人がやっても同じ結果になることは示していません。アウトプットにご褒美を与えると成績が上がる人ももちろんいます。ただ、割合が少ないので、インプットにご褒美を上げると成績が上がる人が多いといわれるのです。
ですので、こういう教育論は、選択肢の一つ目として気楽に考えるべきと思います。
うまくいく人が多いこの教育論を試してみて、ダメだったら別の方法にしてみよう~って考えた方が気楽でいいですよね。
このように、漠然としていて正解のない教育論に1つの指標を見つけられるのが、この本のよいところです。
まとめ
全員が経験しているからこそ、教育論は評論家でなくても口出ししたくなります。もちろん、経験に基づいたアドバイスも悪くありません。しかし、それらは経験に基づくものであるため様々です。そういうときに根拠となるデータを持っていると一つの指標になるため、情報やアドバイスに悩む機会は減ります。この本では、実験に基づいた結果を紹介しています。ぜひ読んでみてください。