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【書評】脳科学的な根拠による瞑想の効用について | 世界のエリートがやっている最高の休息法

 「瞑想」をご存知でしょうか。

知ってはいるけど、なんだかうさん臭く感じるからやってない人も少なくないと思います。

 

そこで、瞑想の効用を脳科学の立場から論理的に説明したこの本を紹介します。

世界のエリートがやっている 最高の休息法

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

 

著者は、精神医療の最先端イェール大学で学び、ロサンゼルスでクリニックを開業した精神科医の久賀谷亮氏。

 

世界的に有名な企業や経営者も実行している瞑想やマインドフルネスの効果や方法を脳科学を基にして詳しく解説しています。瞑想や座禅といったものを信用していない人にこそおススメです。

 

瞑想や座禅は、いままではっきりとした科学的根拠が存在しなかったので、どこか宗教的に感じられ、信用出来ないと思う人は少なくないと思います。

 

しかしこの本は最新の脳科学の研究論文を基にして、「瞑想が脳のどの部分を変えるのか」「そして、それがどのように僕たちに影響を与えるのか」を書いているので、かなり納得しやすかったです。

この本の内容について1

うつ病患者に行う治療法として、磁気を用いて直接脳の特定の部位に働きかける「TMS磁気治療」や、脳の該当部分の働きを抑制する抗うつ薬などがよくあげられます。

 

これらの治療法って、詳しい原理は分からなくても効果はありそうですよね。でも、瞑想はなんか胡散くさい…。

 

しかし、実はこれらの治療とよく似た効果を得られるのが、瞑想やマインドフルネスなのです。

 

じゃあ瞑想がどのように脳に働きかけているのか、そしてどのような効果が見込めるのかの具体例や、瞑想のやり方については本書に詳しく書かれております。

 

例えば、

  • [Lecture 1] 「疲れない心」を科学的につくるには? ― 脳科学と瞑想のあいだ
  • [Lecture 2] 「疲れやすい人」の脳の習慣 ― 「いま」から目をそらさない
  • [Lecture 3] 「自動操縦」が脳を疲弊させる ― 集中力を高める方法

とかであったり、より具体的に言えば

  • 過去や未来からくるすべてのストレスから開放されることこそがマインドフルネスの目的
  • すべてのストレスは過去や未来から産まれる

 ゆえに、瞑想の目的は、今に注目することである。とかね。ヴィパッサナー瞑想と同じだね。たぶん瞑想の本質って全部同じなのかもしれない。呼吸に意識を向けるとか頭の中に浮かんだことに気づくだとか、すべて今を認識している行為だし。

 

 瞑想がうさん臭く感じられるのはなぜ?

胡散くさい理由は、即効性がないからだと思う。

 

この本で取り上げられた事例も、瞑想の効果が表れたのは4週間後くらいとして紹介されていました。だから、ある程度続けることが重要だから、ほんと続けてみてほしい!効果は今の瞑想ブームが保証してる!

 

しかも、この本は、根拠がしっかりしてて腑に落ちるから、続ける後押ししてくれます。

この本の内容について2

内容はストーリー仕立てで、これに賛否両論ありますが、僕は楽しく読めました。

めちゃくちゃ詳しく書かれている専門書のような本もいいけど、入門書として活用する分には全く困らないし、むしろストーリー性があるおかげで、モチベーションを高めてくれました。「漫画で分かる○○」シリーズと同じだね。

 

主人公が、データやロジックで説明できないことを毛嫌いする座禅アレルギーな脳科学者ってとこも良かったね。その毛嫌いっぷりはちょっと前の自分を見てるようで…笑

 

この本で紹介されている脳の仕組みは難しく感じるかもしれないけど、言いたいことは、抗うつ薬とかと同じ効果はあるよ!だから瞑想やろう!ってこと!

 

1日10分でいいんで、瞑想を取り入れてみてね!スティーブジョブズにはなれないけど、心は満ち足りるよ